アミノ酸スコアバランス

肉や魚、大豆などに含まれるたん白質は、体の筋肉や臓器、血液の元となっているだけでなく、体の調整機能を持つさまざまな酵素やホルモンなどの原料でもあります。体を構成するたん白質が不足すると、体力や免疫力の低下、成長障害を起こす可能性もあります。
ヒトの体は約10万種類ものたん白質で構成されていますが、これらはわずか20種類のアミノ酸によって作られています。アミノ酸のうち、9種類は体の中で作ることができない「必須アミノ酸」と呼ばれており、食事から十分に摂取する必要があります。また、必須アミノ酸は組み合わさって働くため、それぞれをバランス良く補うことが大切です。

アミノ酸スコアは、食品のタンパク質質を評価するための一つの方法であり、特定の食品が含む必須アミノ酸の量を人間が必要とする量と比較するものです。このスコアは、最も少ない必須アミノ酸の量に基づいて計算され、それが評価の基準となります。

つまり、ある食品のアミノ酸スコアが100%である場合、その食品は人間が必要とするすべての必須アミノ酸を適切な比率で含んでいるということになります。しかし、スコアが100%未満の場合、その食品は一部の必須アミノ酸を不足しているということになります。

その場合、他のアミノ酸プロファイルを持つ食品を組み合わせることで、全体的なアミノ酸バランスを改善することが可能です。

たとえば、穀物はリジンというアミノ酸が不足している傾向がありますが、豆類はリジンを豊富に含んでいます。

したがって、穀物と豆類を組み合わせることで、よりバランスの良いアミノ酸プロファイルを達成することができます。このような食品の組み合わせは、特にヴィーガンやベジタリアンにとって重要です。アミノ酸スコアは食品のタンパク質を評価する便利なツールであり、健康的な食事を計画する際に役立ちますが、それだけで食事全体の栄養価を判断するものではありません。

食品はビタミン、ミネラル、食物繊維、抗酸化物質など、さまざまな栄養素を含んでいるため、全体的な栄養バランスを考慮することが重要です。