食べ物には、活性酸素の働きを抑えるさまざまな抗酸化成分が含まれています。たとえばキウイやイチゴ、トマトなどに多く含まれるビタミンCや、ナッツ類、大豆などに多いビタミンEを、「若返りビタミン」ともいいます。ビタミンCやEには、細胞の酸化(老化)を防ぐ働きがあるからです。
抗酸化成分には、ほかにも次のようなものがあります。
赤ワインやブルーベリー、リンゴ、ココアなどのポリフェノール、
緑茶のカテキン、ピーマンやニンジン、カボチャなど緑黄色野菜のβカロチン、
トマトやスイカなどのリコペン、
豆類やタマネギ、シソ、緑茶などのフラボノイド、ゴマのセサミノール、
ニンニクやキャベツなどの含硫化合物、
エビやカニの色素アスタキサンチンなど。
抗酸化成分には面白いことに、3大栄養素(たんぱく質・脂肪・炭水化物)以外の微量栄養素や色素が多いのです。私たちは食事のメニューとして、肉や魚などのメイン料理ばかり考えがちですが、実は添え物の野菜、香辛料、調味料、デザート、飲み物なども、酸化の抑制に大きな役割をになっているのです。
また抗酸化成分は、色の濃い植物性食品に多いという特徴もあります。
ただ抗酸化成分は、どれか一つを食べれば済むというものではありません。
「○○が体にいい」と聞くと、それだけを集中的に食べる人がいますが、そうした方法には限界があります。
野球にたとえれば、活性酸素は打者、抗酸化成分は守備陣です。守備陣にイチローのようなスーパースターがいても、すべての打球を追ってグラウンド全体を一人で守ることはできません。それと同じで、どんなに強力な抗酸化成分でも、それぞれの能力(性質や作用の仕方)に違いがあるため、力を合わせないと活性酸素には対抗できません。
抗酸化成分を含む食品を数多く知っておき、毎日の食事のなかでできるだけ多くの種類をとること…それが抗酸化食生活のポイントなのです。