体内ホルモンとは

🔳体内ホルモンとは

体内のホルモンとは、内分泌腺や神経分泌細胞などで合成され、血液中に分泌されて全身に運ばれる化学物質で、体のさまざまな働きを調節する情報伝達物質です。ホルモンは、体の他の部分(標的部位)の働きに影響を与え、メッセンジャーとして働き、体のそれぞれの部位の活動を制御し、協調させます。

🔳ホルモンの種類

ホルモンには100種類以上あり、成長ホルモン、性ホルモン(男性ホルモン、女性ホルモン)、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモンなどがあります。ホルモンは、体の健康維持のため、個体の生命と活動性の維持、成長と成熟および生殖機能などを担っています。

🔳ごく微量で働く

ホルモンは、内分泌腺という特殊な細胞で作られますが、最近では、つくられた場所のすぐ隣にある細胞(傍分泌)、またはつくられた細胞そのもの(自己分泌)に働くこともわかってきています。この場合は、血液中に流れ出てこないので、そのはたらきを十分詳しく知ることが難しいことになります。ホルモンは非常に少ない量(50mプールいっぱいの水にスプーン1杯程度)で効果がありますが、分泌が多すぎたり少なすぎたりすると、心身にさまざまな障害が起こってきます。

🔳神経伝達物質とホルモンの違い

ホルモンと混同しやすいものに「神経伝達物質」があります。両者の違いを訊かれたら明瞭な説明をすることはできますか。どちらも脳からの指令を各器官に伝える伝達物質としての役割を持っていますが、大きな違いは情報を伝達する際に通るルートです。ホルモンは、前述したように主に血液を介して情報を伝えます。それに対し、神経伝達物質は、神経細胞同士の情報のやり取りに使用されます。つまり、脳や自律神経などにおける神経細胞間の情報伝達は、すべて神経伝達物質が担っていることになります。ホルモンは、主に血液中に分泌されるもの、神経伝達物質は神経細胞間の情報伝達を担うものと区別しておきましょう。
ただし、神経伝達物質・ホルモンの両者としての働きを持つ物質もあります。また、伝達スピードとしては、自律神経が俊敏に伝わるのに対し、ホルモンはゆっくりと伝わり、持続性があるのが特徴です。