自律神経を整えるには、2 対策

・「ストレス」が便秘や下痢を引き起こす。

 腸の動きとストレスには密接な関係があります。人がストレスを感じると交感神経が優位になります。ところが腸のぜんどう運動を支配しているのは副交感神経ですからストレスが溜まると腸の動きが鈍くなり便秘を引き起こします。反対に神経性の下痢もストレスにより引き起こされます。便秘や下痢を解消するにはストレスを溜めない、腸内環境を整える、食物繊維(野菜、キノコ、海藻等)や発酵食品(納豆、みそ、キムチ、甘酒等)をとり入れる食生活を心がけることが大切です。

・「4と8の呼吸」をする。

 私たちは自律神経のおかげで無意識に呼吸ができます。ところが物事に集中しているときやストレスがかかっているときなどは、交感神経が優位になり呼吸数が増えて浅くなります。そんな時に「4と8の呼吸」(ゆっくり4秒かけて息を吸い、8秒かけて息を吐く)をすると副交感神経を刺激することができます。通常の呼吸より多くの酸素を取り込むことで血管が開いて血流が良くなり、緊張した筋肉がゆるんでリラックスし、気持ちもゆったりと落ち着いてきます。

・「1日20回のほほえみ」を行う。

 「笑う門には福来る」という言葉があるように口の両端をキュッと引き上げ、口角を上げるたびに副交感神経が刺激されて心に落ち着きが戻ります。

・朝日をあびる。

 朝日を浴びると気持ちいいとか清々しいと感じるのは気分的な問題だけではありません。体の中では「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンという物質が出て、すっきりと目覚めさせる、やる気を出させる、自律神経のバランスを整えようと働きます。セロトニンは全身にありますが、特に腸にたくさんあり腸のぜんどう運動を活発にします。日ごろから腸を整えていれば「幸せホルモン」が出やすくなります。

・10分早起きする。

 これまでより10分早起きをすると自律神経を整えるため多くのことができます。例えば、簡単な朝食をとる、ゆっくり歯を磨く、ニュースをチェックする、ゆっくり身支度する、持ち物を確認するなどです。気持ちが焦ると自律神経が乱れやすくなります。呼吸が浅くなり交感神経ばかり高くなってしまいます。

・落ち着いてゆっくり話す。

 意識してゆっくり話すようにすると自然に呼吸も深くなり心が落ち着き副交感神経の働きが高まります。相手に伝えたいことがあるときほどゆっくり話してみてください。

・ほどよい運動や体操、ウォーキングをする。

 朝の光を浴びて自律神経のスイッチを入れ、無理のない自分に合った運動や体操、ウォーキングを取り入れることで自律神経が整います。体を動かしながら深い呼吸ができる程度のペースで行うことで、副交感神経の働きを保ちながら、良質な血液が体の末端までしっかりと流れ、酸素や栄養が末端の細胞まで届きます。健康の最大のカギは良質な血液が体の末端までしっかりと流れることです。

・毎朝コップ1杯の白湯を飲む。

 朝に飲む白湯は睡眠中に失った水分を補うとともに、副交感神経の働きを高め、自律神経のバランスを保つことができます。またコップ1杯の白湯を飲むと自然な便意を促すことができます。

・朝ごはんを食べる。

 朝ごはんを食べてすぐは交感神経の働きが高まりますが、その後は副交感神経が働いて胃腸を活発に動かし消化吸収を促します。3度の食事の度に自律神経がこうした動きをすることで、胃腸の働きが活発化します。

・首を温める。

 冷え性の人は首、手首、足首を冷やしてはいけないと言われますが、首を温めることは副交感神経の働きを高めることに直結します。首には副交感神経と交感神経の要所があり、脳から腸まで届いている大切な神経の通り道と言われています。

・免疫力を上げる。

 「免疫」は私たちの体を細菌やウイルスに感染して起こる病気や体の中にできる異物から守ってくれるシステムのことです。この免疫の正体は血液中にある白血球という成分です。この白血球も交感神経副交感神経が深く関わりながら、自律神経に身を任せてバランスを保ち、免疫力を高めているのです。つまり自律神経のバランスを整えれば連動して免疫力も上がるのです。