虚血性血管疾患は、血管の閉塞や狭窄により組織や臓器への血液供給が不足し、酸素や栄養素が不足する状態(虚血状態)を指します。これは心筋梗塞や脳梗塞(脳卒中)などの原因となります。活性酸素と血糖(糖)の異常が虚血性血管疾患の発症に関与すると考えられています。

活性酸素と虚血性血管疾患

活性酸素は、体の正常な代謝プロセスで生じる化学物質で、適度な量では有用な役割を果たします。

しかし、

抗酸化物質とのバランスが崩れると剰な活性酸素が生じ

これが血管の内壁に酸化ストレスを引き起こします。酸化ストレスは血管の内皮機能の障害、LDL(悪玉)コレステロールの酸化、炎症反応などを引き起こし、これらが動脈硬化の進行や血栓形成につながり、虚血性疾患のリスクを高めると考えられています。

血糖(糖)と虚血性血管疾患

 一方、血糖の異常(特に高血糖)は、糖尿病などの疾患を引き起こし、これが長期にわたると血管の損傷を引き起こします。高血糖状態では、糖が血管の内壁に付着して酸化し、

AGEs
Advanced Glycation End-products:終末糖化産物)と呼ばれる物質を生じます。AGEsは血管の硬化や炎症を引き起こし、また、血管の内皮機能を障害します。これらが動脈硬化を進行させ、虚血性疾患のリスクを高めます。



以上のように、活性酸素と血糖の異常は、それぞれ血管の機能障害や損傷を引き起こし、結果として虚血性血管疾患の発症につながると考えられています。したがって、酸化ストレスや血糖管理に重点を置いた生活習慣の改善

・健康的な食事

・適度な運動

・ストレス管理

・禁煙

・適切な睡眠 などが、

※虚血性血管疾患の予防に重要です。