脳と腸の情報交換
以前から、脳は全身の機能を支配していると考えられ、腸との関係においても脳で感じた不安が腸に伝えられるという研究が行われていました。ところが、近年、腸には腸管神経系という独自の神経ネットワークが発達しており、感知したさまざまな情報を処理して脳へ伝達していることが分かってきました。つまり、脳と腸は情報を交換しあう、言い換えると、対話をしているのです。
この脳と腸の情報交換は、免疫系、内分泌系、神経系という腸に備わる機能を介して行われています。特に、腸から脳への情報伝達のルートとして注目されているのが、「迷走神経」です。腸から脳への情報量は脳から腸よりも多いと考えられており、脳は腸から送られてくる情報に大きく影響を受けていると言えます。
さらに最新の研究において、この腸から脳に送られる情報に、腸にすみつく微生物の存在が大きく影響を与えることも明らかになりつつあるのです。