アディポネサイトカインとは、

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アディポサイトカインは、脂肪組織で産生されるサイトカイン(細胞から分泌されるタンパク質)の一群です。これらのタンパク質は主に脂肪細胞(アディポサイト)から分泌され、さまざまな生理的機能に影響を与えます。

1.アディポネクチン

 インスリン感受性の向上や炎症の抑制など、代謝に良い影響を与えることが知られています。

 体脂肪量が増加すると、アディポネクチンの分泌が減少します。高齢者では一般的にアディポネクチンの低下が報告されており、これがメタボリックシンドロームや心血管疾患のリスクに関連している可能性があります。

2.レプチン
  食欲とエネルギーバランスの調整に関与し、脂肪組織によって分泌されます。レプチンが増加すると、食欲が減退し、代謝が促進されます。

3. TNF-α(腫瘍壊死因子-α)

  炎症性なサイトカインで、過剰な分泌が炎症性疾患や代謝症候群に関連していることがあります。

4. IL-6(インターロイキン-6)

  炎症反応の調節やエネルギー代謝に関与しています。適切なバランスが重要で、過剰なIL-6は炎症を引き起こす可能性があります。

アディポネクチンが低いと、血中の脂質や糖、血圧の異常も起こしやすくなりますが、このことは、それらとは全く別のメカニズムで動脈硬化の危険因子となることを示しています。 先天的にアディポネクチンが低い人では、肥満していなくても高血圧、糖尿病、脂質異常症、冠動脈疾患が高い頻度でみられます。

アディポネクチンの働き

・動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞、高血圧、メタボリックシンドローム、 糖尿病、高脂血症、がんの予防・改善
・老化防止 ・ヒアルロン酸分泌促進

アディポネクチンは内臓脂肪の増加によって分泌量が低下するため、内臓脂肪型肥満を解消することでその分泌量は自然と増加します。 そのため、緑黄色野菜や海藻類、大豆製品、青魚などを普段の食生活に取り入れたり、適度な運動を行ったりすることでアディポネクチンを増やすことができます。

高カロリー食の摂取や運動不足による肥満遺伝的素因などが存在すると、「正常脂肪細胞」 が「肥大化脂肪細胞」に変化し、悪玉アディポ サイトカインの分泌が亢進し、善玉活性物質で あるアディポネクチンの分泌が低下すること が確認されています