遺伝子組み換え作物

遺伝子組み換え作物の弊害

遺伝子組み換え作物(GMO)には様々な利点がありますが、以下にその主な点を挙げてみます一方でいくつかの潜在的な弊害や懸念点が指摘されています。

⒈生物多様性の減少
⒉抵抗性害虫の発生
⒊除草剤の過剰使用
⒋食品安全性の懸念
⒌経済的な問題
⒍遺伝子汚染

⒈生物多様性の減少

遺伝子組み換え作物が広範囲に栽培されると、その地域の自然の植物種や昆虫などの生物多様性が減少する恐れがあります。

⒉抵抗性害虫の発生

トウモロコシなどの病害虫抵抗性遺伝子組み換え作物を広範囲で栽培すると、これに対抗するための抵抗性を持った害虫が進化する可能性があります。これは「スーパーバグ」の発生とも呼ばれます。

スーパーバグは、通常の抗生物質に対して非常に強力で耐性がある細菌やウイルスを指します。これらの微生物は、適切な治療が難しくなり、感染症が治りにくくなる可能性があります。主な原因は、抗生物質の不適切な使用や過剰な使用により、微生物が耐性を獲得することです。

スーパーバグは医療機関やコミュニティで感染症の拡散を引き起こす可能性があり、公共の健康に深刻な影響を及ぼすことがあります。これに対抗するためには、抗生物質の適切な使用、予防策の強化、そして新しい治療法やワクチンの開発が重要です。

⒊除草剤の過剰使用

除草剤耐性遺伝子組み換え作物(例えばラウンドアップレディー作物)は、除草剤の使用量を増加させる可能性があります。これにより、除草剤に耐性を持つ「スーパーウィード」の出現を引き起こす可能性もあります

ラウンドアップ・レディー

【英】: Roundup Ready, RR

米国モンサント社が開発した、除草剤(商品名:ラウンドアップ)耐性農作物の総称。開発された農作物にはダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ワタ、テンサイなどがある。これらは除草剤ラウンドアップを処理しても枯れず、雑草だけが除かれるため、除草が簡便で生産者メリットが多いとされている。

スーパーウィードは、通常、通常の雑草よりも頑健で、成長が速い雑草を指すことがあります。これらの雑草は一般的に他の植物と競争しやすく、さまざまな環境条件に対して適応力があります。また、通常の農業や庭園の管理方法に対しても強い耐性を持っていることがあります。

スーパーウィードは農業や園芸において問題となることがあり、通常の除草剤や管理手法が有効でないことが挙げられます。これらの雑草が成長し続けると、作物や他の植物に対して競争的な影響を与える可能性があります。

⒋食品安全性の懸念

GMOに対する食品安全性への懸念も一部には存在します。一部の消費者や研究者はGMOがアレルギーや他の健康問題を引き起こす可能性があると懸念しています。

⒌経済的な問題

GMOの特許は一部の大企業が保有していることが多く、これが小規模農家の経済的自立を阻害するとの指摘があります。

⒍遺伝子汚染

遺伝子組み換え作物の遺伝子が風や昆虫によって非遺伝子組み換え作物に伝播することがあります。これは特にオーガニック農業に影響を与える可能性があります。これらの懸念に対処するために、遺伝子組み換え作物の開発と利用には、厳密な規制と包括的な評価が必要とされています。それぞれの国や地域でその基準は異なりますが、

・健康への影響
・環境への影響

を評価しその上でリスクと利益を比較し、適切な管理が行われています。