たんぱく質消化吸収スコア

(PDCAAS:Protein Digestibility Corrected Amino Acid Score)は、食品のタンパク質の質を評価するための指標の一つです。このスコアは、
その食品の必須アミノ酸の含有量と消化吸収率を考慮に入れて計算されます。

 PDCAASの計算は、食品の含有する各必須アミノ酸の量をその必須アミノ酸の推奨摂取量で割り、その結果得られる値のうち最も低いもの(つまり、最も不足している必須アミノ酸の比率)がその食品のアミノ酸スコアとなります。

 PDCAASは、最大値が1.0または100%と定義されており、この値が大きいほどその食品のタンパク質は高品質と判断されます。肉、魚、卵、乳製品などの動物性食品や大豆は、PDCAASが1.0と高い値を示す食品です。

 PDCAASはあくまでタンパク質の質を評価する指標であり、食品全体の栄養価を評価するものではありません。食品にはビタミンやミネラル、食物繊維、抗酸化物質など、多くの他の重要な栄養素が含まれています。

 PDCAASは消化吸収率を100%と上限してしまうため、消化吸収率が非常に高い食品の評価が不十分になるという欠点もあります。より詳細な評価のためには、新たな指標であるDIAAS(Digestible Indispensable Amino Acid Score)などが提案されています。DIAASは、消化吸収の場所(小腸)までを考慮に入れ、より正確なタンパク質の消化吸収率を評価することができます。