短鎖脂肪酸とは

短鎖脂肪酸(SCFA)は、腸内細菌が食物の繊維を発酵する過程で生成される脂肪酸の一群です。

主な短鎖脂肪酸には、

 酢酸(酢酸菌酸)

 酪酸(プロピオン酸)

 ブチル酸  などがあります。

これらの脂肪酸は、主に大腸内で生成されます。

以下に、短鎖脂肪酸の主な特徴と役割を挙げます。

1. エネルギー源

 短鎖脂肪酸は腸管上皮細胞に取り込まれ、エネルギーの供給源として利用されます。特に酢酸と酪酸は、 腸管上皮細胞の代謝において重要な役割を果たしています。


2. 腸壁の健康

短鎖脂肪酸は、腸管上皮細胞の健康を維持するために重要です。特に酢酸は、腸管上皮細胞のタイトジャンクション(細胞間結合)の形成を促進し、腸壁のバリア機能を強化します。

3. 免疫調節

 短鎖脂肪酸は、免疫応答を調節する役割を果たすことが知られています。特に酢酸と酪酸は、炎症を抑制し、腸内免疫応答を調節する可能性があります。

4. 腸内環境の調整

 短鎖脂肪酸は、腸内環境のpHを調節することで腸内細菌のバランスを整える役割を果たします。適切な腸内pHは、大腸でpH5.5~7有益な腸内細菌の増殖を促し、有害な細菌の成長を抑制します。